えのころぐさ (狗子草)
学名 Setaria viridis var. minor 日本名 エノコログサ 科名(日本名) イネ科 日本語別名 エノコグサ･エヌノコグサ、ネコジャラシ、ネコノオ、ケムシ、トトアワ、ネコノシッポグサ、ノアワ、ハグサ 漢名 狗尾草(ｺｳﾋﾞｿｳ, gŏuwěicăo) 科名(漢名) 禾本(ｶﾎﾝ,héběn)科 漢語別名 莠(ﾕｳ,yŏu)･穀莠子、葽(ﾖｳ,yāo)、光明草･光明子、狗毛尾 英名 Green bristlegrass, Green foxtailgrass
| 2005/06/06 新座市中野 | |
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| 辨 | アワ属(エノコログサ属) Setaria(狗尾草 gŏuwěicăo 屬)には、世界の熱帯･亜熱帯に約100種がある。 スナジエノコロ S. arenaria(斷穗狗尾草) ヒメササキビ S. barbata(S.nakaiana) 熱帯アジア･アフリカ原産 イヌアワ S. chondrachne(莩草) コゴメビエ S. distans(Paspalidium tuyamae, P.distans) 絶滅危惧Ⅱ類(VU,環境省RedList2020) S. excurrens var. leviflora (光花狗尾草) アキノエノコログサ S. faberi(S.autumnalis;大狗尾草)『中国雑草原色図鑑』323 インドスズメノヒエ S. flavida S. forbesiana (西南莩草) 浙江･兩湖･兩廣･陝甘･四川･貴州･雲南産 スズメノキビ S. geminata イヌエノコロ S. × gussonei(S.viridis var.ambigua, S.×decipiens, S.×ambigua, S.verticillata var.ambigua) S. guizhouensis(貴州狗尾草) S. intermedia(間序狗尾草) 雲南･タイ･ミャンマー･ヒマラヤ･インド･オマーン･イェメン･エリトリア･タンザニア産 アワ S. italica(粱･小米) エノコログサの栽培品。 コアワ 'Maor'(S.italica var.germanica) クロボキンエノコロ S. nigriostris コツブキンエノコロ S. pallide-fusca (S.pumila;褐毛狗尾草･莠狗尾草) ササキビ S. palmifolia (棕葉狗尾草･澀船草) 九州･琉球･臺灣･長江以南から熱帯&亜熱帯アジア･濠洲東部に産 フシネキンエノコロ(アメリカエノコログサ) S. parviflora(S.gracilis, S.geniculata; 幽狗尾草･莠狗尾草) 南北アメリカ産 コササキビ S. plicata(S.excurrens;皺葉狗尾草･馬草･爛衣草) 『中国本草図録』Ⅹ/4914･『中国雑草原色図鑑』322 九州･琉球･臺灣･長江以南･ヒマラヤ･インド･インドシナ･ニューギニア産 キンエノコロ S. pumila (S.pallide-fusca, S.cinerea, S.glauca var.pallidefusca, S.pumila var.longispica; 金色狗尾草･金狗尾)『中国雑草原色図鑑』322 スズメノヒエツナギ S. punctata オオエノコロ S. × pycnocoma(S.viridis var.gigantea, S.viridis subsp.pycnocoma, S.italica subsp.pycnocoma, S.gigantea;巨大狗尾草) アイノコエノコロ S. × reclinata アフリカキンエノコロ S. sphacelata(南非狗尾草) ザラツキエノコログサ S. verticilata(倒刺狗尾草) 南ヨーロッパ原産 エノコログサ(広義) S. viridis カタバエノコログサ f. japonica(var.angustifolia) ムラサキエノコロ f. misera(S.viridis subsp.purpurascens)花穂の剛毛が紫褐色 エノコログサ var. minor(狗尾草)『中国雑草原色図鑑』322 ハマエノコロ var. pachystachys(S.pachystachys;厚穗狗尾草) var. pycnocoma(巨大狗尾草) S. yunnanensis(雲南狗尾草) アワ属 Setaria はアフリカのサバンナ帯に豊富に出現するが、その大部分は多年生で、アフリカでは栽培化されなかった・・・インド、とくにインド西北部に広がる乾燥地帯、サバンナまたは thorn bush(有棘灌木林)の地帯もまた、多数の Setaria 類が自生している。そこの Setaria には、アフリカと異なり、一年生の種類が圧倒的である。・・・インドこそは Setaria を栽培化した故地として、最上の条件をそなえた地域といいうる」(中尾佐助「農業起源論」)。 |
| イネ科 Poaceae(Gramineae;禾本 héběn 科)については、イネ科を見よ。 | |
| 訓 | 和名エノコログサは、｢狗(え)の子の草｣の意、ロは親愛を示す接尾詞。穂が犬の尾に似ていることから(漢名同)、或は毛の多い穂が子犬を思わせることから。またエノコロコロとは｢犬よ来い来い｣の意ともいう(以上、『日本国語大辞典』二版)。 別名「猫戲らしハ其穗ヲ以テ子猫ヲ戲レサスヨリ云フ、卽チ東京ノ方言ナリ」(『牧野日本植物圖鑑』)。 |
| 『倭名類聚抄』狗尾草に、「和名恵沼能古久佐」と。 小野蘭山『本草綱目啓蒙』狗尾草に、「ヱヌノコグサ和名鈔 ヱノコグサ古歌 ヱノコログサ今名 トウトウグサ備後。狗子ヲ方言ニトウトウト云 トウトウボ備中 スゞメノアハ イノヂアハ水戸 イノコグサ長崎 イヌグサ泉州 ヱノコボ讃州 カニグサ長州 トゝコグサ防州。方言ニ犬ヲトゝト云 ヲヤリ秋田 イヌコロコロ肥前 カイルトゝラ丹波」と。 |
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| 漢名の莠(ﾕｳ,yŏu)は、草は秀でて実らないので、故に字は秀に従う、と(本草綱目)。 葽は、遠志(イトヒメハギ)の意味では yăo と、狗尾草(エノコログサ)の意味では yāo と読む。 |
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| アイヌ名はチャッペ(猫)。 | |
| 説 | 北アフリカ･ユーラシア･マレシア･オーストラリアに分布。 日本のものは、野生であるかどうか 厳密にはわからないと言う。 |
| 誌 | 全草･花穂･根･種子を薬用にする。 |
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